基本情報

水系荒川水系
種別一級河川
延長35.4km
流域面積161.4 k㎡

人々の憩いの場を生み出す清流。

都幾川(ときがわ)は、越辺川の支流として、比企郡のときがわ町、嵐山町、川島町、そして東松山市を通る一級河川です。

「都幾」という名の語源は諸説ありますが、「身を清める」「穢れを避ける」ことを意味する「斎(とき)」からきていると考えられているそう。

その由来の通り、水の透明度は高く流れも穏やか。長きにわたり、人々が集い、水とふれあう「憩いの川」として親しまれてきました。

ときがわの名を持つ「ときがわ町」では、この清流をイメージさせる美しい鳥「カワセミ」を、「町の鳥」として認定しています。都幾川流域では、早朝や夕暮れ時に川面を滑るように飛ぶカワセミを見ることができますよ!

さらに、季節の移ろいを知らせてくれる、川沿いの花や木々の様子も必見。

春は「都幾川桜堤」の桜と菜の花、梅雨時期には「ときがわ花菖蒲園」の花菖蒲、そして秋には川沿い各地で美しく色づく紅葉が楽しめます。

神秘的な世界観。遊べる景勝地「三波渓谷」。

都幾川の有名スポットといえば……ときがわ町の「三波渓谷(さんばけいこく)」!

秘境感あふれる緑に囲まれた景色と、透明で青みがかった美しい川水が、毎年多くの人を魅了してきた景勝地です。

特徴は、「御荷鉾緑色岩(みかぶりょくしょくがん)」と呼ばれる緑がかった岩石。この岩石が群馬県の三波川付近で採掘される「三波石」に似ていることから、「三波渓谷」と呼ばれるようになったんだとか。

もちろん、魅力的なのは景色が良いことだけではありません!

渓谷内には、ちゃぷちゃぷ足をつけて遊べる浅瀬や飛び込みができるゾーンがあり、子どもから大人、ワンちゃんまで、みんなが思いっきり川を楽しめる場所なんです。

近隣には「都幾川四季彩館」という日帰り温泉施設が。川のせせらぎを聞きながらゆったり全身を温めることも、川に浸かった足を足湯でほっと一息休ませることもできます。

なんとバーベキュー広場も併設しているので、川で遊び、お腹を満たし……最後に温泉でキレイさっぱり!なんて過ごし方ができちゃいます。

沈む橋!?川遊びもBBQもできる珍スポット。

さらに注目したい都幾川のスポットは、東松山市にある「鞍掛橋(くらかけばし)」。赤い橋脚がなんともノスタルジックな雰囲気をつくっています。

この橋は、増水時には川に浸かる「冠水橋(潜水橋、沈下橋)」と呼ばれるタイプ。橋の上に欄干(らんかん=柵)はありません。これは、増水時に橋が水面下に潜ったとき、上流からきた流木や土砂が引っかかってしまうのを防ぐためなんです。

「鞍掛」という名の由来は、「近くの山の形が馬の鞍に似ているから」や、「新田義貞(鎌倉時代〜南北朝時代に活躍した御家人・武将)が鞍を掛けた松があったから」などといわれています。

提供:東松山市

現在は、埼玉県の「川のまるごと再生」事業によって、気軽に川原へ下りやすい構造に整備済み。飛び石や遊歩道、バーベキュー場「くらかけ清流の郷」もあり、夏の川遊びにピッタリです。

なお、鞍掛橋の幅員は車1台分ほどしかないので、車で通行する際はゆずりあって渡ってくださいね!

ちなみに、都幾川には同じ「冠水橋」タイプの橋があります。それが、「稲荷橋(いなりばし)」。鞍掛橋とは違ってすべてがコンクリートでできてるので、見比べてみるのもおもしろいかもしれません。

距離感の近さが、魅力の高さ。

ここまで2つの都幾川スポットを紹介してきましたが、どちらもバーベキュー場が近くに設けられていましたよね。このように「川辺のバーベキュー場が多い」というのも、都幾川の特徴のひとつ。

上記のほかにも、都幾川と雀川の合流地点にある「ときがわ川の広場バーベキュー場」や、渓流キャンプができる「木のむらキャンプ場」もあり、都幾川は「人との距離感がとても近い川」として、県内や関東の方々に愛され続けています。

水や鳥の音に耳を澄ましながら、川とふれあう。都幾川は、そんなゆったりと流れるときを生み出してくれる、現代人の癒しになる存在といえそうです。

関連リンク

都幾川桜堤:
https://www.ranzan-kanko.jp/tokigawa

ときがわ花菖蒲園:
https://www.town.tokigawa.lg.jp/info/2253

都幾川四季彩館:
https://www.town.tokigawa.lg.jp/info/29

くらかけ清流の郷:
http://www.city.higashimatsuyama.lg.jp/shisetsu/sonotasshishisetsu/1627452546150.html

ときがわ川の広場バーベキュー場:
https://www.town.tokigawa.lg.jp/info/1203

これを読んだあなたにオススメ

【藤右衛門川】住民の暮らしを守る大切な川

【笹目川】住宅地を流れる憩いの川

【小山川】彩りと郷土の歴史を体感する川