水系荒川水系
種別一級河川
延長17.3km
流域面積37.6㎢

来目?久留米?さまざまな名で愛されてきた川。

黒目川は、東京都にある小平霊園内の「さいかち窪」を源流として、落合川と合流しながら新河岸川に流れ込む一級河川。都内の東久留米市を通過した後、埼玉県の新座市と朝霞市を通っていきます。

黒目川という名前の由来は諸説あり、水源の湧水が「クルクル回る」様子や、川の蛇行により水面が「くるめく」様子からきたなどと言われています。落合川との合流地点から新座市の下流域にかけて「黒目の里」と呼ばれてきたことも関係するようですよ。

さらに江戸幕府が編纂した『新編武蔵風土記稿(しんぺんむさしふうどきこう)』には、「黒目川」だけでなく、「久留米(くるめ)川」や「来目(くるめ)川」といった表記が。上流域の東久留米市の名は、ここから来ていると考えられています。昔から、この川沿いの地域にとって大きな存在感を持つ川であったことがうかがい知れますね。

再生プロジェクトで、もっと身近で過ごしやすい場所に。

黒目川では、2012年度から「黒目川のまるごと再生プロジェクト」が進行。埼玉県と新座市・朝霞市が主体となって、4年に渡り黒目川とその周辺環境を整備してきました。

整備前は、川辺の歩道が茂みで遮断されていたり、道が橋の向こう側まで続いていなかったり……と、特に歩行者にとっては利用しにくい箇所が複数存在していました。川や緑と触れあおうと思っても、危険でできない。その状況を打破するべく、アンダーパスや遊歩道、階段などを整えてきたのです。

下流部側の朝霞市が発行している「グリーントレイルマップ」では、そんな整備済みの遊歩道等を含めた黒目川沿いの緑スポットが紹介されています。テーマ別にコースが分かれているので、自分に合ったものをチョイスして川辺散策を楽しむのもいいですね。

▶グリーントレイルマップ
https://www.city.asaka.lg.jp/soshiki/52/kurome-toreirumap.html

新種の桜に、橙色の彼岸花。希少な植物が命を咲かせる。

写真提供:新座市

黒目川と言えば桜!埼玉県民の中には、そんなイメージを持っている人も多いかも知れません。

黒目川沿いには多くの桜スポットが存在しますが、その中でも有名なのが朝霞市の「黒目川桜堤」。毎年、見頃に合わせて黒目川花まつりが開催され、春の風物詩として地域の方々に親しまれています。

そして新座市の妙音沢特別緑地保全地区では、なんと新種の桜を見ることができます。「妙音沢旗桜(ミョウオンサワハタザクラ)」と名付けられたこの品種は、花びらのように変化した雄しべ「旗弁」があることで、花が二重に見えるのが特徴です。

植物の美しさを堪能できるのは、春だけではありません。暑さ厳しい8月ごろには、新座市市場坂で彼岸花の一種『キツネノカミソリ』が咲き誇ります。オレンジの花が一面に広がる様子を楽しめるのが嬉しいですね。

人にも魚にも、もっと愛される存在へ。

昔は廃水によって汚れていた黒目川ですが、現在は汚れ指数が大幅に減少しています。これにより、水が綺麗なところにしか生息しないアユも戻ってきました。

護岸整備も進み、水質も改善した今。黒目川はより一層、人にも生きものにも愛される川へと発展していくことでしょう。

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