基本情報

水系荒川水系
種別一級河川
延長40.2㎞
流域面積70.4㎢

高麗川の中心は日高市にあり。

高麗川は、埼玉の中でも魅力的な川が多い、飯能市、秩父郡横瀬町、比企郡ときがわ町の境界が接する苅場坂峠付近を源流とする川。水もきれいで、人気がある行楽スポットも数多く有しています。

因みに「高麗川」という名前が指す範囲は、飯能市内を流れる南川と北川の合流地点から坂戸市の越辺川との合流地点までとされていますが、高麗神社、高麗川駅など、川の名前にちなんだ地名やスポットは日高市内に集中しているのが特徴的。その背景にはちょっとディープな歴史が隠されているんです。

1300年もの歴史をバックグラウンドに持つ川。

かつて、古代朝鮮半島には「高句麗」という国が栄えていました。しかし、唐(現在の中国)や隣国の新羅との戦いに敗れて668年に滅亡してしまいます。そこから逃げ延びた人たちを716年に受け入れ、現在の日高市を中心につくられたのが「高麗郡」というある種の行政区でした。

その後、時代が流れ、地名が改められることになる江戸時代末期まで、日高市のみならず、飯能市・鶴ヶ島市の全域と、狭山市・川越市・入間市・毛呂山町の一部を含んだ広い範囲が「高麗郡」と呼ばれていました。

因みに、この地に渡った朝鮮半島の人々は、大陸の進んだ技術を数多く持ち込んで、日本の発展にも貢献したと言われており、その暮らしの名残は、エキゾチックな雰囲気が漂う高麗神社や高麗郷古民家(旧新井家住宅)など、さまざまな史跡でも辿ることができます。 ……いつの間にか「高麗川」ではなく「高麗郡」の歴史に迫ってしまいましたが、元を正せば「およそ1300年にも渡るインターナショナルな歴史を持つ川がこの高麗川である」というお話でした。

参考資料:日高市ホームページ

「遠足の聖地」巾着田は必見!

さて、高麗川と言えば、歴史と並んで有名なのが巾着田です。巾着田とは、その名の通り、高麗川が巾着袋のように蛇行した場所にある台地の名前です。最初に掲載している地図を見て気になった方もいるかも知れませんが、高麗川の流れの真ん中あたりがくるんと丸くなっている部分がありますよね。それがこの巾着田です。

引用:荒川上流河川事務所

なかでも、高麗川の清流に面した巾着田曼珠沙華公園に咲き乱れる500万本もの曼珠沙華の姿はまさに圧巻。毎年秋には見頃を迎えるので、ぜひ一度、見に行ってみてはいかがでしょうか。(※2021年秋は新型コロナウイルス感染拡大対策のため見ることができません。詳細は「ひだか巾着田」の公式HPをご覧ください。)

また、日高市では、この巾着田エリアを中心に「遠足の聖地」を標榜して、さまざまな取り組みを進めています。各種イベント等はまだまだ難しい情勢ではありますが、安全に遊びに行けるようになったら、ぜひ足を伸ばしていただきたいイチオシの川。それが高麗川なんです。

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