10月も半ばを過ぎ、紅葉の足音が聞こえてきました。そこで今回は、都心より少し早めに紅葉が楽しめる「神流湖(かんなこ)エリア」のオススメおでかけコースをご紹介!
埼玉県と群馬県の県境に位置する神流湖は、下久保ダムによってつくられた関東最大級の人造湖です。神流川の中流にあり、ここを通った川の水は利根川へと合流していきます。「地域に親しまれ、地域にとってかけがえのないダム湖」として、ダム湖百選にも選出されているんですよ。
そんな神流湖周辺には、紅葉狩りをしながらここでしか見られない特別な景色が楽しめるスポットが盛りだくさん!3つのスポットに絞って、その魅力をお届けしていきます。
紅葉と桜を同時に楽しむ、城峯公園。
最初にご紹介するのは、神流湖の南側にある「城峯公園(じょうみねこうえん)」。神山の中腹に位置する公園で、標高500mの高さから神流湖を見下ろすことができます。首都圏自然歩道「関東ふれあいの道」のコースにも指定され、周辺観光の中心スポットとして親しまれてきました。
このスポットの大きな特徴は、約600本もの「冬桜(ふゆざくら)」が見られること!冬桜は10月下旬〜12月上旬に咲く珍しい桜で、紅葉とほぼ同時期に見頃を迎えます。
小ぶりの八重の花を咲かせる冬桜は、その薄紅色の淡い色合いがなんとも可愛らしい雰囲気。真っ赤に染まる紅葉とのコントラストが、他ではなかなか見られない風情ある秋の空間を演出します。
例年、10月最終日曜日には「冬桜まつり」が開催されてきましたが、2019年以降は台風や新型コロナウイルス感染拡大の影響で相次いで中止に。残念ではありますが、また開催される日を楽しみに待ちましょう。なお、園内で冬桜や紅葉を楽しむことは可能です。
また園内には町営のキャンプ場もあり、テント用スペースのほか、バンガローも設置されています。バーベキューができるレストハウスもありますよ。
秋の訪れを芸術的な岩石と味わう、三波石峡。
次に紹介するのは、下久保ダムの下流側のスポット。ダムから登仙橋までの約1.3kmにある「三波石峡(さんばせききょう)」です。非常に美しい渓谷として知られ、国の名勝・天然記念物にも指定されています。
新緑の季節には、青々とした植物と清らかな川が織りなす爽やかな景色が見られる場所ですが……秋は色とりどりの紅葉のパッチワークとコラボレーションした、ひと味違う表情が楽しめるんです!赤や黄色に色づいた葉と巨岩・奇岩がつくり出す景色は、まさにここでしか見られない絶景ですね。なお紅葉の見頃は、例年10月下旬~11月上旬頃とされています。
通称「三波石」と呼ばれる特徴的な岩石は、「御荷鉾緑色岩類」「三波川結晶片岩類」「珪質岩」「輝緑凝灰岩」など、さまざま種類のものがあります。緑、黄、白の美しい模様が見られるのが特徴で、江戸時代から名石として庭石に使われてきました。
さらに「三波石四十八石」とされる48個の巨岩・奇岩には、それぞれに名前がつけられているんです!中には「猫石」「鯰(ナマズ)石」「亀石」といった動物をもとにしたものから、「竜巻石」「鎧石」という少しユニークなものまで、系統はさまざま。
現地へ訪れたときには、「この石は何と名付けられているんだろう?」と想像しながら観察してみるのも面白いかもしれません。なお、三波石峡にある石は天然記念物として保護され、採集は禁止されているので注意してくださいね!
県をつなぐ真っ赤な空中の道、金比羅橋。
最後に紹介するのは、神流湖にかかる「金比羅橋(こんぴらはし)」。自動車も通れる吊り橋です。
今回紹介しているスポットの中では、最も神流川の上流側に近い場所です。神流湖自体が県境に位置するため、東側の埼玉県神川町から西に向かって橋を渡ると、群馬県藤岡市に行き着くことができるんですよ。
その特徴は、真っ赤なビジュアル!湖とまわりを囲む木々が織りなす秋らしい景色に、インパクトを与えてくれます。さらに橋の上から、違う角度で楽しんでみるのもいいですね。
ついついおでかけしたくなる紅葉シーズン。「行ってみたい!」という気持ちに身を任せて、ちょっと遠くへ足をのばしてみてはいかがでしょうか。寒暖差が激しい時期でもあるので、感染症対策だけでなく寒さ対策も忘れずに!
◎スポット基本情報◎
―城峯公園―
▼住所
神川町矢納1277
▼アクセス
電車・バス:JR「本庄駅」よりバスで「神泉総合支所前」まで約45分、町営バスに乗り換えて「城峯公園」まで約15分
車:「本庄児玉IC」より約45分
駐車場あり
―三波石峡―
▼住所
神川町矢納地内
▼アクセス
車:「本庄児玉IC」より約35分
駐車場あり
―金比羅橋―
▼住所
神川町矢納地内