2023年10月17日~18日、今年も荒川で、清掃活動とダウンリバーレースを行う「ULTRA A70」が開催されました。今回で3回目の開催となるイベントです。
1日目は清掃活動、2日目はダウンリバーレースを実施。多くの人に川の魅力を発信しました。17日は、カヌーヴィレッジ長瀞などがリバークリーン(川の清掃活動)を開催。後編では、一日を通じて行われた「ダウンリバーレース」を振り返ります。
リバークリーン翌日は白熱のレースDay!
リバークリーンが実施された翌日の早朝5時、まだ暗い中、寄居町のかわせみ河原に選手たちが集まってきます。
開会式を終え、6時にレーススタート!選手たちが一斉に川に入り、70㎞下流のゴールに向かって漕ぎ始めます。昇ってくる朝日に照らされながら進んでいく選手たちの様子はとても迫力がありました。
選手たちを見送った後、スタッフはかわせみ河原のゴミ拾いをしてから次のチェックポイントに向かいます。
今年は、70kmを漕ぎきるエリートクラスのほか、コース半ばからスタートするエントリークラスが初めて設けられました。
中間チェックポイント兼エントリークラスのスタート地点である北本水辺プラザ公園には、スタッフの他、応援に来た観客たちの姿もありました。通過する選手たちを温かい声援で見送ります。携帯していた飲み物を飲み切ってしまった選手に飲み物を渡す家族の姿もありました。
中間地点まで来ると各選手の距離がだいぶ離れてきます。次の選手が来るまでの間は、周辺のゴミ拾いをしながら待ちます。
そして、10時、エントリークラスもスタートです。
日が傾き始めた頃、70㎞もしくは35㎞を漕ぎ切った選手たちが戸田公園でゴールします。陸に上がって終了!…ではないのがA70です。風物詩となりつつある階段ダッシュでSUPを持って堤防を駆け上がり、ようやくゴールです。ラストスパートを経てゴールした後の選手たちの顔は達成感でいっぱいでした。
表彰式は、足きりになった選手も含めて全員の帰還を待って行われました。優勝者には今回、初の試みとして、地元の戸田市から「戸田市長賞」が贈られました。賞品は彩湖・道満グリーンパークのバーベキュー場で使える食事券です。是非また戸田市を訪れてほしいですね。
エントリークラス優勝者のコメント
普段は海でSUPをしていますが、レースに出るのにダウンリバーの経験が必要だったので、カヌーヴィレッジ長瀞で一度体験してレースに出場しました。川は流れがあり、流れが集まるところはスピードが出て面白かったです。来年度はエリートクラスに出場したいです。
エリートクラス女子優勝者のコメント(昨年度から2連覇)
昨年度は身体が動かなかったので、キックボクシングも始め、体力づくりを行いました。最後は逆風ですごく大変でした(ゴール直後は「もう出場しない!」と連発していました)。 普段多摩川でSUPをしていますが、多摩川は浅くてフィンがついてしまうところも多いので、荒川のほうが環境が良いと感じています。
エリートクラス男子優勝者のコメント
普段海でSUPをしていて、今回初出場しました。ダウンリバーは経験が浅いので、途中まで他の選手の後についてレースしていました。その選手が逆風で疲れて先を譲ってくれたので優勝できました。ダウンリバーは面白かったので来年も出場したいです。
長距離レースにこだわる理由
主催者であるULTRA A70実行委員会の藤村会長はこう熱く語ります。
「僕たちが長距離でのレースにこだわる理由は、長距離を旅することで海と山とをつなぐ川を感じ、愛着を持てるようになるからです。自分のフィールドとして捉えられるようになると、例えば愛車を磨くのと同じように、自らゴミを拾ったり、綺麗に保とうとしたりするようになるはずです。日本ではスポットの大会はあっても、なかなか長距離の大会がないというのも理由の一つです。
僕たちは10年計画で『川に親しむフェスティバル』を作り上げることを目指しています。1年目、2年目とレースを成功させ、次のフェーズに入るため、今回初めてエントリークラスを設けました。多くの人に楽しんでもらいたいという想いからです。来年度もエントリークラスを用意したいです。
3回目となる今回のレースも無事に終えることができました。スタート前の朝日に元気づけられ、ゴール直前の夕日がとても綺麗で印象的な1日でした。」
2024年は10月15日にリバークリーン、16日にダウンリバーレースを行う予定だそうです。今後の情報に是非ご注目ください。