2024年11月30日、埼玉県飯能市にあるメッツァビレッジで「メッツァで生き物保全活動!トウキョウサンショウウオを守ろう」が開催されました。このイベントはメッツァビレッジと森のフィールド学舎(通称:モリマナ)のマッチングによるもの。メッツァビレッジの「とある場所」、宮沢湖のほとりに生息している「トウキョウサンショウウオ」の産卵場所を整備しながら、ネイチャーガイドと周辺を探索するというものです。

マッチング企業サポーター紹介

《メッツァビレッジ(株式会社メッツァ)》
フィンランド語で「森」を意味する「メッツァ」。
メッツァビレッジは、豊かな自然に包まれた湖畔の北欧のライフスタイル体験施設です。
https://metsa-hanno.com/metsa/

《森のフィールド学舎(モリマナ)》
埼玉県の自然や生きものを観察・調査・研究し、環境学習イベントなどを運営するチームです。
フィールドワークを通して、自然を客観的且つ俯瞰して見ることや、生きものを多角的に楽しみ、学ぶことをモリマナでは旗標にしています。
「埼玉県生物多様性保全活動団体」としても活動しています。
https://morinomanabiya168.wixsite.com/website

イベント概要

・日 時:2024年11月30日(土)11:00〜14:30
・来場者:一般参加者 約10名
・主 催:メッツァビレッジ・森のフィールド学舎
・場 所:メッツァビレッジ敷地内

「トウキョウサンショウウオ」にとって快適な環境をつくろう!

冷え込みが激しかった当日。それでも約10名の参加者がメッツァビレッジ敷地内にあるトウキョウサンショウウオの産卵場所に集合しました。そこは、森に囲まれた沼地のような場所。その一角から水が湧き出し、ぬかるんだ水路が。この水路こそが、今回のイベントの舞台となります。

森のフィールド学舎が制作した資料を基に、水辺や森の生き物の暮らしについて解説を受ける参加者

イベントは森のフィールド学舎スタッフによる趣旨説明からスタート。

「トウキョウサンショウウオはこの水辺近くの土の中で暮らしていて、2月から5月の間にここにやってきて、産卵を行います。ずっと水辺にいるわけではないのですが、水辺からは離れられないので、周囲100mくらいが生活圏になります。現在は産卵場所になる水路の水深が浅くて産卵がしにくい状態になってしまっているので、今日はここを深くしていくのが主な目的です。名目的には“作業”になってしまいますが、生き物を探しながら、守る活動として楽しんでいただけたらと思います!」

続いて参加者のみなさんが自己紹介。参加した理由や自然や生き物に対する想いを話していきます。その後、泥を掻き出すチームと、丸太から土留めをつくるチームに分かれ、スコップや鍬、鉈などを手に持ち、持ち場についていきます。今回は自然好き、生き物好きの参加者に交じって、6歳の女の子も参戦!枯れ草の除去や泥を掻き出す作業にいそしんでいました。

水路の状況や作業について説明を受ける参加者のみなさん
まずは水路周辺の枯れ草を取り除いていきます
小さなお子さんも真剣に泥を掻き出す作業に参加
丸太から土留めの杭をつくる作業(提供:森のフィールド学舎

ネイチャーガイドと周辺の自然環境を観察しよう!

みんなでわいわいと作業を進める内に、水路はどんどん整備され、時刻はランチタイムに。午後からは、森のフィールド学舎のネイチャーガイドを受けながらフィールドワークを楽しむ時間がはじまりました。

参加者みんなで宮沢湖周辺を散策します
快晴の空を写す宮沢湖は息をのむ美しさ(提供:森のフィールド学舎

気になる植物を見つけては質問したり、解説を聞いたり、発見と学びが多いひとときが流れます。例えば、「ひっつき虫」と呼ばれているアレ。実はコセンダングサのタネだということをご存じでしょうか?

「ひっつき虫」ことコセンダングサのタネ

見慣れた何気ない風景や植物も、見方を変えるといろいろなことがわかり、さらに興味が広がっていく。そんな充実した体験になったようです。

また、今回は「ムカゴを探そう」というミッションを設定。ガイドから自然薯の実であるムカゴの特徴を聞いた参加者たちは、森や茂みを観察しながらムカゴを見つけていきました。

「あった!」とムカゴを収穫していくお子さんの楽しそうな姿
これがムカゴの実。ちいさなジャガイモのような姿で、食べても美味しい森の恵みです

次回は春。タマゴを数えるイベントでまた会いましょう!

すっかりキレイになり、十分な水深も確保された水路((提供:森のフィールド学舎

フィールドワークの後は、作業場である水路に戻って一休み。みんなで感想を語り合いました。その感想の一部をご紹介していきましょう。

「今日はサンショウウオには会えませんでしたが、この辺でよろこんでくれていると信じてがんばりました。今日は楽しかったです」

「全然知識がないまま参加しましたが、今日の体験を思い出しながら、植物や自然を見ることができそうだなと思いました」

「大人になってから、こうやって泥まみれで作業することがなかったので、楽しかったです」

「ここで学んだ知識を生かしてもっと自然を楽しめたらと思います」

と、参加者のみなさんは大満足の様子。森のフィールド学舎のスタッフからの「本日はご協力ありがとうございました!サンショウウオもきっとよろこんでくれていると思います。来年の3月から4月くらいに、生まれたタマゴの数を数える作業をしてもらいたいと思いますので、ぜひそちらにもご参加いただければと思います」という言葉を聞き、みなさん、「次回も参加したい」と口々に話していました。

次の春はこの水路がトウキョウサンショウウオたちの安住の地になって、たくさんのタマゴを見ることができるはず……そんな想いを膨らませながらイベントは無事に終了へ。もちろん、このイベントは次回からの参加も大歓迎とのこと。森のフィールド学舎のサイトやリバサポでも随時情報を発信していきますので、ぜひチェックしてみてください。

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