飯能市内の河原を大学の「キャンパス」に見立てた、自然学習教室『リバービーチ・キャンパス』。2021年に全5回に渡って開催され、その記念すべき第1回目がリバサポマッチング企画としておこなわれました。
タッグを組んだのは、『リバービーチ・キャンパス』主催の「NPO法人埼玉ハンノウ大学」、釣りエサメーカー「マルキユー株式会社」、釣り振興活動をおこなう「公益財団法人 日本釣振興会 埼玉県支部」の3法人です。
いかだづくりや釣りを楽しむお子さんの笑顔がたくさん見られた本イベントが、どのような企業マッチングを経て、どのような想いを持って開催されたのか、3者にそれぞれお話をうかがいました。
マッチング企業サポーター紹介
《NPO法人 埼玉ハンノウ大学》
飯能市全体を、大学のキャンパスに見立てることでメディア化。まちに関わるすべての人々が参加できる授業を出会いの場として、課題や志しを持った市民・企業・行政のネットワークづくりをおこなう非営利団体。
・住所:〒357-0038 埼玉県飯能市仲町6-1 旧飯能織物協同組合事務所(登録有形文化財)蔵
・HP:https://hanno-univ.net/
《マルキユー株式会社》
埼玉県桶川市を拠点に、釣りエサや関連用品の製造販売、釣りイベント開催などをおこなう釣具メーカー。釣りエサのラインナップは日本トップレベル。
・住所:〒363-8509 埼玉県桶川市赤堀2-4
・HP:https://www.marukyu.com/
《公益財団法人 日本釣振興会埼玉県支部》
釣り教室や魚種資源の保護培養、清掃活動などを通じ釣りの振興を図る団体。埼玉支部は「何時でも」「何処でも」「だれもが」「気持ち良く」釣りを楽しめることをモットーに活動をしている。
・住所:〒 363-0002 埼玉県桶川市赤堀2-4
・HP:https://jsa-saitama.org/
イベント概要
「リバービーチ・キャンパス 川「と」あそぶin Autumn①:西川材deイカダ作りとはじめての川釣り体験!」と題し、小学生とその保護者をメインに、いかだづくりや釣りを体験するイベントを開催。
マルキユー株式会社の三村さんと日本釣振興会の宮内さんが、釣りエサの付け方や釣りの方法を教えながら、子どもたちのはじめての釣り挑戦をお手伝いしてきました。
- 日時:2021年10月16日(土)10:00〜12:00
- 場所:飯能河原
- 参加者数:親子約20名
当日の様子は、ハンノウ大学の「授業レポート」をご覧ください。
マッチングイベント企画を終えて
―全5回に渡って開催された「リバービーチ・キャンパス」。まずはその開催経緯を教えてください。
ハンノウ大学:「埼玉県奥武蔵自然公園」に位置する飯能市内の河川流域は、都心からもアクセスしやすい場所でありながら、自然の美しさを気軽に体験できるスポットとして人気を博しています。年間を通じて川遊びやキャンプを楽しむ多くの人々でにぎわう一方で、GWや夏休みには利用者のマナーの悪さやゴミの放置などが問題として浮き彫りになっていました。こうした現状を変えるべく、川辺でのさまざまな体験を通して川への関心を高めてもらおうと企画をスタートしました。
―その第1弾として、3つの団体が共同で体験教室をおこなうこととなった経緯を教えていただけますか?
ハンノウ大学:川の自然環境を守る上で欠かせないのは、「幼少期に川に親しみ、楽しむこと」だと考えています。こうした方針に基づいて授業内容を検討する中で、埼玉県SDGs官民連携プラットフォームの検討部会にて、魚釣りを通じた子ども向けのイベントを開催しているマルキユーさんと日本釣振興会さんに出会いました。お話をするうちに、やりたいことや目指していることが合致していることがわかり、マッチング企画が発足したんです。
マルキユー:3者とも、どのように地元の河川を有効活用していくか、環境をよくしていくかを考えていましたね。そして何より、「釣り」というコンテンツで盛り上がりのあるイベントが開催できるのではないかという意見が一致したので、話が一気に進んでいきました。
日本釣振興会:ハンノウ大学さんは多種多様な授業を数多く展開されているので、授業内容の企画立案や集客、運営に長けていると思います。私たち日本釣振興会も独自で釣り関連のイベントは開催していますが、ハンノウ大学さんと協力することで、より環境や学習を意識したイベントがスムーズに開催できそうだという期待感もありました。
マルキユー:そうですね。弊社と日本釣振興会さんは、同じ釣り業界として日頃より深い関わりを持っていますので、お互いの釣り人や釣り場に対する活動への知見を生かすこともできそうでした。
ハンノウ大学:2者とも長年の経験からなる豊富な知識や釣りに対する熱い想いを持っていらっしゃるので、危険がともなう河川流域でのイベントでも信頼してご一緒できました。
―開催にあたって注力したこと、気をつけたことを教えてください。
日本釣振興会:安全面には特に気を使いました。ライフジャケットの全員着用を徹底し、脱げにくく滑りにくい靴での参加も促しました。また、糸切れなどのトラブルにもすぐに対応できるよう、予備の竿や仕掛けもしっかり準備していました。
ハンノウ大学:やはり水辺では何より安全第一。時世柄、感染症予防の面でも対策をしました。
マルキユー:また、参加者は子どもたちですので、比較的簡単に釣れる「ピストン釣り」という方法を選択することで、より楽しさを実感できる機会を増やす工夫をしました。
―イベントを終えての率直な感想をお聞かせください。
ハンノウ大学:何より、参加した方々のたくさんの笑顔が本当に良かったです!釣りも自然探検も自然遊びも初めての体験という親子が多い中、大人も子どもも関係なく楽しく川と親しんでもらえて、こちらも実りある時間が過ごせたなと感じています。
日本釣振興会:10月中旬の開催だったので寒いかなと心配をしていましたが、みなさん無我夢中で釣りをされていてひと安心。魚が釣れたときの笑顔、とっても輝いていましたよ。
マルキユー:非常にいい表情でしたね。短時間ではありましたが、魚もたくさん釣れていました。
―本イベントの活動拠点である「飯能河原」にはどのような印象を持ちましたか?
マルキユー:今回初めて現地に行きましたが、広大な自然環境に驚きました。想像以上に魚もたくさんいたので、今後も遊びの拠点としてうまく使えないかなと思っています。
日本釣振興会:そうですね。聞き込み調査時は「このあたりは、あまり魚は釣れないよ」と耳にしていましたが、エサとなる川虫も多く、魚影も思ったより濃かったです。駅から徒歩圏内で自然を満喫できる、すばらしいフィールドだと感じました。
ハンノウ大学:飯能河原は、このように都心に一番近い自然豊かな川であり、また地域住民の憩いの場でもあります。これからも大切に守り育てていきたいですね。
―最後に、今後の活動の展望を教えてください。
ハンノウ大学:令和3年度は埼玉県NPO活動支援補助金によって、こうした活動を実施することができました。ぜひ令和4年度も活動費を確保しながら、こうした授業をおこなう事業を継続していけたらと考えています。
日本釣振興会:今後も埼玉県内の川や池での釣り教室、釣り大会を企画しています。また、秋には埼玉県内の川や池へのフナやウグイの放流を予定しているので、いろんな世代の方々にご参加いただき、川や釣りへの関心度を上げていけたらと考えています。
マルキユー:各地で安全に釣りができる環境を整え、私たちも引き続き釣り大会や釣り教室を展開していきたいですね。またこれからは、イベント時だけでなく、普段から川の近くを訪れる方々にとって、釣りが一つの日常的なアクティビティになれたら嬉しいです。
今後も3者の活動に注目していきたいですね。ぜひみなさんも、川を学ぶイベントや釣り教室などに参加してみてください。