みなさんは川遊びを楽しむとき、どのくらい安全を意識しているでしょうか。河川等での水難事故件数は3月から徐々に増加し、真夏を迎える7月・8月の2ヶ月間には年間事故件数の約50%が集中しています。楽しい川の思い出をつくるために、いま一度、安全について考えてみませんか?

今回の川イイ!調査団では「川の安全意識」についてアンケートを実施しました。183名の個人サポーターのみなさんから寄せられたリアルな声をもとに、安心して川を楽しむためのポイントをお届けします。

あなたも経験している?川のヒヤッと体験

Q1. 川遊びや川辺の散策中に、ヒヤッとした経験はありますか?

まず、川遊びや川辺の散策中に「ヒヤッとした経験はあるか」と聞いたところ、およそ3人に2人が「はい」と回答。川遊びに出かける多くの人が、一度は危険に直面していると言えますね。では、どのような状況でヒヤッとしたのでしょうか。

Q1で 「はい」と答えた方に質問です。その状況に近いものを教えてください

上位の回答から見えてくるのは、川の危険は見た目からは判断しづらいということ。きれいで穏やかな川でも、川底の石に付着したコケに足を取られた拍子に流されてしまうケースも少なくありません。また、浅そうに見える場所でも数歩先では急に深くなっている場合も。ひざ程度の浅さでも流れが速ければ、大人でも体勢を崩して流されてしまうこともあるんです。

水面は光を反射するため、川の深さや流れの速さは陸上からは判断しづらい特徴があります。川に近づくときは「危険が潜んでいる」という意識を忘れないようにしましょう。

川でのトラブル対応は、6割以上が「自信なし」

Q2.川でトラブルに遭ったとき、自分の対応にどのくらい自信がありますか?

「川でトラブルに遭ったとき、自分の対応にどのくらい自信がありますか?」というアンケートでは、「あまり自信はない」「全く自信がない」を合わせ、約63%の人がトラブル対応に不安を感じているという結果に。一方で、「十分に対応できる」と答えた人はわずか5%でした。

そもそも、川のトラブルは日常的に経験するものではありません。対応に自信がない人が多いのも当然です。ただ、正しい知識と備えを少しでも学んでおくことで、いざというときに命を守れる可能性が高くなります。この機会に、基本的な対処法を確認しておきましょう。

川遊びの安全対策。みんなの備えと意外な盲点

次に、「川遊びに行くとき、どのような準備をしているか」を聞きました。

Q3.川で遊ぶとき、どのような備えをしていますか?(複数回答可)

上位に挙がったのは「子どもから目を離さない」、「天気予報を確認する」、「岸から川の深さや流れを確認する」。自由記述では、川に親しむ個人サポーターならではのリアルな声も寄せられました。

「前回来たときと比べて、水深が変わっていないか確認する」
「ふくらはぎ程度までの深さの場所にしか入らない」
「瀞場(とろば)か早瀬(はやせ)か、カーブの内側か外側か、川底は砂利かゴロタか等を確認する」
「ロープを切るはさみやナイフ、非常用ホイッスルを携帯する」
「スマホは防水ケースに入れる」など

※瀞場(とろば):流れが緩やかで、水面が静かに見える場所。水深が深いことが多い。
※早瀬(はやせ):流れが速くなっている場所。
※ゴロタ:こぶし〜人の頭ほどの大きさの丸い石が敷き詰められた川底。

川に詳しい人ほど、具体的で細かい備えをしていることが伝わってきます。一方で、アンケート全体を見ると、課題となりそうなポイントも浮かび上がってきました。

ライフジャケット持参はわずか39%

約6割の人がライフジャケットを持参していませんでした。子どもにライフジャケットを着用させる大切さは広く知られるようになってきましたが、実は大人にとっても欠かせない装備なんです。川で起こる水難事故の多くは、ライフジャケットさえ着けていれば防げた可能性があるといわれています。

中には「川に入らないから大丈夫」と思っている方もいるかもしれません。しかし、転落防止用の柵がない場所や草木で地面が見えづらい場所では、気づかないうちに川に近づきすぎてしまい落水してしまうことも。

消防庁の資料(※)でも「救命胴衣を着装していない隊員は、原則として河川等の水際(川岸等からおおむね5m以内)での活動は行わない」とされており、水際でのライフジャケット着用の重要性が指摘されています。川辺の散策や釣り、バーベキューなど、川の中に入らない予定でも、川に近づくときはライフジャケットの持参・着用を習慣にしていきましょう。

 ※「平成18年度 救助技術の高度化等検討委員会報告書 水難事故における救助活動について」(消防庁)

天気予報の確認は上流と下流の両方で

半数以上の方が回答した「天気予報を確認する」。手軽にできる安全対策ですが、注意してほしい点があります。それは、川遊びをする場所よりも上流部の天気を調べること。川の水量は流域全体で決まります。仮に下流部が晴れていても、上流部や山間部で雨が降れば、その水は一気に下流へと流れてきます。

普段流れてこない流木や落ち葉が増えてきたとき、水が突然冷たくなったとき、水の濁りが出てきたとき……これらは増水のサイン。迷わず川から離れましょう。また、国土交通省「川の防災情報」では、上流の雨量・水位情報をリアルタイムで確認できるので、川遊びの際はチェックしてみてくださいね。

その行動、実は危険かも?川で流されたときの対処法

万が一流されてしまったときの正しい対応は何でしょうか。アンケートで回答が多かったのは「体が浮く体勢をとる」「流れに沿って浅瀬を目指す」「大声で助けを呼ぶ」の3つ。実は、この中に溺水のリスクを高める行為があるんです。

Q4.自分が川で流されたとき、最も大切だと思う行動はどれですか?

それは、26名(14%)が選んだ「大声で助けを呼ぶ」。焦って「助けて」と声を出すと肺の空気が抜け、浮力を失ってしまう恐れがあります。流されてしまったときに優先してほしいのは、呼吸の確保です。仰向けに浮き、顔を水面に出した「背浮き」の姿勢をとりましょう。体勢を安定させてから周囲に声をかけ、救助を待ちます。

もし泳ぎに自信があっても、流れに逆らって元いた場所へ戻ろうとするのはNGです。体力を消耗し、かえって溺水のリスクを高めてしまいます。

引用:河川財団「水辺の安全ハンドブック」

自力で岸に向かう場合は、上流側に斜め45度ほどの角度をつけて泳ぐのがポイント。川の流れに逆らうのではなく、流れを利用することで効率的に移動できます。

流された人を助けるときの注意点

最後に、もし家族や友人が川で流されてしまったとき、どのように行動すればよいのかをご紹介します。

水難救助は、救助する側にも大きな危険が伴います。そのため、リスクの低い方法から順に行動することが大切です。可能な限り水の中に入らずに陸上での救助を心がけてください。

誰かが落ちたり流されたりした場合は、まず自分の安全を確かめ声をかけます。次に、浮くものを投げる、スローロープ(スローバッグ)を使う、長い棒を差し伸べるなどして救助を試みます。もし自分たちだけでの対応が難しいと判断した場合は、ためらわずに消防署などへ救助を要請しましょう。

※スローロープ(スローバッグ):水に浮く素材で作られた救命用のロープセット。水辺のレジャーや救助活動で使用されている。

今年の夏も、安全に川を楽しもう!

楽しさの裏にリスクも潜んでいる川。しかし、川の特徴を知り、装備を整えておけば、過度に恐れる必要はありません。ほんの少しの意識と準備が、川で過ごす時間をより安心で豊かなものにしてくれます。ぜひ今回の調査結果を参考に、今年の夏も安全に気を配りながら、川をめいっぱい楽しんでくださいね。

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