川の汚れる原因を皆さんは知っていますか?
実は、埼玉県内の川は、家庭から流れ込む排水が汚れの約7割を占めているんです。つまり、川を汚している一番の原因は暮らしの中で出す汚れた水なんです。
では、どうしたら川はキレイになるでしょうか?
都市部の多くでは、暮らしの中で出た汚れた水を「下水道」で集め、下水処理場できれいにして川や海に流しています。
では、下水道がない地域ではどのように汚れた水をきれいにしているのでしょうか?
そこで登場するのが「浄化槽(じょうかそう)」です。本記事では、その「浄化槽」について詳しくお伝えしていきます!
浄化槽ってなに?
浄化槽とは、下水道等のない地域で家庭から出る汚れた水(し尿と生活雑排水)を処理・消毒し、川へ流す設備です。
浄化槽の中では、自然の中で生きている「微生物」たちが汚れを食べて水をきれいにしています。それらの微生物には、空気を好む「好気性微生物」と空気が嫌いな「嫌気性微生物」がいます。微生物たちは、水中の汚れ(有機物)をエサにして、数をどんどん増やしていきます。浄化槽の中では微生物が働いて水をキレイにして、汚れを汚泥として沈殿させ、塩素消毒をして、安全な水として放流します。
単独処理浄化槽と合併処理浄化槽
浄化槽は、「単独処理浄化槽」と「合併処理浄化槽」に分かれています。
「単独処理浄化槽」とは、し尿(トイレの排水)しか処理できず、台所や風呂場等からの排水は処理できません。単独処理浄化槽が設置されている家庭で、台所からカップラーメンの残り汁を流せばそのまま川へ流れてしまいます。台所やお風呂、洗濯など暮らしの中で出た汚れた水をそのまま川へ流してしまうため、川がどんどん汚れてしまうんです。埼玉県内にある浄化槽のうち約半分は、この「単独処理浄化槽」です。
※現在は「単独処理浄化槽」を新たに設置することはできません。多くは昭和50年代後半から平成12年度までに設置されました。
一方で、「合併処理浄化槽」は、家庭から出るすべての排水を処理できます。トイレの排水だけを処理できる「単独処理浄化槽」と違い、台所やお風呂、洗濯などの汚れた水も処理できるスグレものです。
単独処理浄化槽から合併処理浄化槽に入れ替えると、なんと河川に流れ出る汚れをおよそ8分の1に減らすことができるんです!
川や側溝へ流す排水が浄化槽により処理されるので、悪臭や害虫の発生も抑えられ、生活環境も良くなります。
単独処理浄化槽を使用している方は、愛する川を守るためにも合併処理浄化槽へ入れ替えましょう!
浄化槽をお使いの方へ(浄化槽の維持管理)
浄化槽の機能を維持し、汚れた水をきれいにするために、「保守点検」「清掃」「法定検査」が必要です。浄化槽の適切な維持管理をお願いします。
・保守点検
浄化槽の機能を維持するために、機器類の調整や消毒薬の補充等を4か月に1回以上行います。「保守点検」は、「浄化槽管理士」のいる専門の「登録業者」に連絡しましょう。
・清掃
浄化槽には、少しずつ水に溶けない固形物や汚泥が溜まっていき、臭いや水質悪化の原因になります。このため、汚泥の引き抜き等を、年に1回以上行わなければなりません。 清掃は「市町村の許可業者」に連絡しましょう。
・法定検査
浄化槽の維持管理がちゃんとできているか、浄化槽がきちんと機能しているかを確認するのが、「法定検査」です。「保守点検」「清掃」とは別に、定期検査を年に一回必ず受ける必要があります。
埼玉県の浄化槽・維持管理について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
最後に
浄化槽とはなにか、浄化槽のしくみや種類、維持管理について、お分かりいただけたでしょうか?
浄化槽は川を守る縁の下の力持ちです。
愛する埼玉県の川を守るために、単独処理浄化槽等を使用している方は合併処理浄化槽への入れ替えや下水道への接続を、浄化槽を利用している方は適切な維持管理をお願いします!!
関連リンク
〇環境省HP 浄化槽サイト「浄化槽のひみつ」
https://www.env.go.jp/recycle/jokaso/himitsu/
〇埼玉県HP 単独処理浄化槽から合併処理浄化槽への転換をお願いします
https://www.pref.saitama.lg.jp/a0505/jyoukasoutenkan/index.html
〇埼玉県HP 浄化槽の維持管理(保守点検・清掃・法定検査)
https://www.pref.saitama.lg.jp/a0505/ijikanri.html