お盆を迎え、いよいよ夏休みも終盤。みなさん、どんな夏を過ごしていますか?うだるような暑さが続き、少しでも涼もうと川辺へ出かけた方も多いかもしれません。

川や川辺の楽しみ方はいろいろありますが……今回オススメしたいのは、川や川辺に多く生息する生きものたちの観察!夏休みの自由研究や思い出づくりにもピッタリです。

そこで今回は、夏〜秋にかけて川辺の生きものを観察するのにうってつけのスポットを3つご紹介。見たい生きものに合わせて行き先をチョイスしてみてくださいね!

田園地帯でじっくり観察「見沼田んぼ」

提供:さいたま市(私の好きな見沼たんぼ写真コンクールより/撮影者:上見正治)

1つめは、さいたま市と川口市にまたがる「見沼田んぼ」。約1260haという広大な面積を持つ、首都近郊における貴重な大規模緑地空間です。エリア内は、東西の縁を走る2本の見沼代用水に加え、その間を並走するようなかたちで芝川や加田屋川といった河川が流れています。

古代、この見沼田んぼエリアは東京湾とつながる入江でした。そこから長い年月をかけて、自然の変化や人々の手によって自然豊かな田園風景が生みだされ、現在に至るまで大切に受け継がれてきたのです。

提供:さいたま市(私の好きな見沼たんぼ写真コンクールより/撮影者:深谷和幸)

こうした歴史があるからこそ、この地域には数多くの生きものが生息しています!例えば「田んぼ」と聞いてイメージしやすい「アマガエル」もそのひとつ。緑葉の上では緑色、枯葉や土の上などでは茶褐色の地色+暗灰色の斑紋に体色を変えるのが特徴です。

さらに、鳥類も多く姿を見せてくれます。休耕田などのアシ原に生息し、アシの茎間を移動しながら昆虫を補食する「オオヨシキリ」は、この時期(4〜9月頃)に観察が可能。そのほか、「アマサギ」「モズ」「ヒバリ」そして鮮やかなコバルトブルーが美しい「カワセミ」も見られますよ!

生きもののすみかで昆虫観察「北本自然観察公園」

2つめは、北本市にある「北本自然観察公園」。埼玉県の「里地里山」の自然環境を残しながら、野生の生きものが暮らしやすく、かつ訪れた人が自然に親しめるよう整えられた公園です。隣接する「荒川ビオトープ」とともに、生きもののすみかをつなぐネットワークの拠点として設置されています。

数多くの生きものが生息していますが、本記事で注目したいのは昆虫たち。夏からは日本最大のトンボ「オニヤンマ」に加え、「ギンヤンマ」「コシアキトンボ」など、トンボ目の昆虫に多く遭遇することができますよ!

秋になると、いわゆる赤トンボと呼ばれる「アキアカネ」などが姿を現します。そのほか、「コバネイナゴ」や「オンブバッタ」といったバッタ目の昆虫も!

公園内にある埼玉県自然学習センターには、毎日更新される園内の生きもの情報や散策の際の注意点などの情報が掲出されています。訪問時にはぜひチェックしてみましょう!

屋内で川魚が観察できる「埼玉県立川の博物館」

3つめは、通称「かわはく」と呼ばれる「埼玉県立川の博物館」。埼玉の母なる川とされる荒川をテーマとした総合博物館で、さまざまな視点で荒川の歴史や民俗、自然が紹介されています。

敷地内にはいくつもの施設やコンテンツがありますが、なかでも今回は「渓流観察窓」をピックアップ!段丘地形の落差を利用して掘られたトンネル脇に、荒川上流域の渓谷が造形された水槽が設置されていて、間口7.4m、高さ1.75mの窓から魚たちを観察することができます。

ここで見られるのは、「イワナ」「ヤマメ」「ウグイ」「アブラハヤ」などの淡水魚たち。毎日、職員による魚のエサやりを間近で観察できるのも嬉しいポイント◎さらに土日祝には、魚のエサやり体験もあるので、大水槽の上からもその様子が見られますよ。

観察すればするほど、生きものって奥深くて面白い

本記事でご紹介したのは、各地で見られる生きもののほんの一部。現地では、きっとさらに多くの種類に出会えるはずです。

その生きもの自身の美しさや愛らしさだけでなく、「キレイな水があるから」「湿度が高いから」「その環境でしか育たない植物があるから」など、その生きものがそこで暮らしている理由にも目を向けてみると、川・川辺という環境との面白い関係性が見えてくるかもしれませんよ。

◎スポット基本情報◎

―見沼田んぼ―
▼住所
さいたま市緑区南部領辻〆切地内(見沼自然公園)
※範囲が広いため見沼田んぼの原風景を取り込んだ公園の情報を掲載しています。

▼アクセス
電車:埼玉高速鉄道「浦和美園駅」より国際興業バス「大宮駅東口行き」に乗車、バス停「締切橋」下車徒歩5分
車:東北道「浦和IC」より約10分
駐車場:あり

―北本自然観察公園―
▼住所
北本市荒井5-200(埼玉県自然学習センター)

▼アクセス
電車・バス:JR高崎線「北本駅」西口よりバスで約15分 バス停「自然観察公園前」下車徒歩1分
車:圏央道「桶川北本IC」より約2km
駐車場:あり

―埼玉県立川の博物館―
▼住所
寄居町小園39

▼アクセス
電車:東武東上線「鉢形駅」より徒歩20分
車:関越道「花園IC」より約8分
駐車場:あり

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