社内での検証を経て実現した、安全で楽しいイベント

2021年11月、自転車に乗りながら川沿いのゴミを集める「清掃ライド」が実施されました。

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本記事では、主催したホダカ株式会社の今泉さんと平井さんにうかがった、イベント実施に向けての取り組みやSDGsへの想い、そして今後の展望などについてのお話をお届けします。

―今回は社員さんたちでの検証を含めて3回目の実施とのことでしたが、今回の開催に至るまでどのような試行錯誤がありましたか?

当初は、自転車の荷台に袋をつけてゴミ拾いをしていたんですが、拾っているうちにどんどん自転車から離れてしまうので、都度ゴミを持って駐輪場所まで戻らなくてはいけないというのが大変で。そこで、デリバリー用リュックにゴミ袋を設置して背負いながら拾う“歩くゴミ箱”方式に転換しました。数も増やし、トングも軍手も用意して、より快適に拾い続けられるよう工夫するようになりました。

―今回はこれまでで最大人数での実施でした。気をつけたポイントを教えてください。

社員は既にスポーツバイクに慣れているので、少し運転が難しい道も難なく走行できるのですが、今回は初めて乗る方もいらっしゃったので、乗り方や誘導の仕方には細心の注意を払い、危険性が少しでもある場所は降りて走行するようにしました。
また、途中で自転車を停めてゴミを拾うことになるため、一般の歩行者の通る道を塞いでしまわないように先導する、という意識も常に持っていました。ゴミ拾いという活動自体はとても良いことでも、自転車の置き方ひとつでマイナスの印象を持たれてしまっては元も子もないですからね。

みんなのものを使わせてもらっているからこそ恩返しを

―リバサポ企業サポーターとして活動をするうちに、意識が変わったことはありますか?

明らかに川への目線が変わりましたね。水位が下がっている日には川底に何かあるなと気づくようになりましたし、自転車に乗りながら常にゴミがないかチェックするようになりました。このポイントはゴミが溜まりやすいんだなと気づいたら、次の清掃ライドのルート選定の参考にしたりもしています。
実は、元荒川の始まりから終わりまで見に行ったりもしたんですよ。やはり上流はキレイでも下流にいくにしたがって汚れていくという実情を目にしたので、状況を改善していきたいという意識は高まりました。

―リバサポ企業サポーターとして「清掃ライド」を続けることで目指したい未来を教えてください。

サイクリストたちが一人で走行するときも、ゴミを集めて収集場所に持っていってくれるようになったらベストですね。走っても走ってもゴミがない、ゴミを拾うために止まらなくていい場所になるのが理想です。さらに、集めたゴミと埼玉県の産業をうまく融合した製品などをつくれたらいいなという夢があります。その製品を購入した人はゴミ拾いに協力してくれていることになりますし、もうゴミを捨てようとは思わなくなると思うんです。我々の活動が我々の知らないところで広がり、地元企業のビジネスにもプラスが生まれ、消費者の生活に環境を意識するものが溶け込んでいく世界って、とても素晴らしいと思います。

―今回の「清掃ライド」以外にもSDGsにまつわる活動をされているんですよね。

自転車のフレームの塗装では害の少ない水性塗料の使用や、ゴミを拾うだけでなくゴミの総量自体を減らそうという取り組みをおこなっています。実は、子ども用自転車をなるべく組み上げた状態でお届けすることで、梱包ゴミを40%減らすことに成功しました。その分、商品を入れる箱は大きくなるので輸送コスト増加分を料金に上乗せすることにはなってしまったんですが、ゴミがこれだけ減るということに販売店や消費者の皆さんに非常に前向きに評価していただいています。元来、当社にとって輸送コストアップは大問題でした。でもここ2年ほどで、当社の考え方や決断は環境に重点をおくようになってきていますね。

―こうした環境問題に目を向けるようになったのはなぜなのでしょうか。

やはり以前は競技者目線を重視して、速い・軽い自転車をつくることばかりを考えていました。しかし自転車に乗るということは、みんなのものである道路や橋、信号機を使わせてもらうということ。だから、何か世の中に恩返しをしないといけないと思ったんです。そこで、子どもからお年寄りまであらゆる人に感謝を伝えられることは何だろうと考えたとき、ゴミ拾いなどの環境を良くする活動に行き着きました。

―リバサポ企業サポーターとして、今後の展望をお聞かせください。

大きい企業ではないからこそ、フットワークの軽さを武器に恩返し活動が続けられたらと思います。さらに、今回はゴミが満杯になりそれ以上拾えなくなってしまったという反省がありました。途中で捨てられるゴミ箱があったらいいのにと感じたので、県や市役所とも連携してさらなるステップアップを実現して活動を続けていきたいと思います。

参考:県内のサイクリングロード(埼玉県HP)
https://www.pref.saitama.lg.jp/a1006/gurutto/gurutto-cycle.html

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