
令和3年度から始まった「SAITAMAリバーサポーターズプロジェクト」。多くの方々のご協力により、今年度で5周年を迎えることができました。これを記念して、企業サポーターである明治安田生命保険相互会社 埼玉本部、株式会社Symphony Innovationsとの共催により、イオンレイクタウンで特別イベントを開催。「川遊び」「水辺の生き物」「川の安全」をテーマに、親子で楽しめるワークショップ、アクティビティを多数ご用意しました。
イベント概要
・日 時:2025年7月13日(日)10時〜17時
・場 所:イオンレイクタウンKaze 1階 時の広場、Sakura Lake(大相模調節池)
・入場料:無料
・共 催:埼玉県、明治安田生命保険相互会社、株式会社Symphony Innovations
・協 力:マルキユー株式会社、公益財団法人 日本釣振興会、埼玉県立川越女子高等学校 生物部、レイクアンドピース株式会社、越谷市消防局
スタンプを集めて景品をゲット!「水辺の冒険クエスト」スタンプラリー

イベントのコンセプトは「川(水辺)の魅力をもっと知ろう!」。本格的な夏を迎える前に親子で川の魅力に触れてもらい、「今年の夏休みは川に遊びに行きたい」と思ってもらうことを目指しました。そして、会場全体を楽しんでもらえるように実施したのが「水辺の冒険クエスト」と題したスタンプラリー。各ブースを訪れるとスタンプが1つ、アクティビティを体験するともう1つもらえる仕組みにし、スタンプを集めながら川や水辺への関心が深まるように工夫しました。

3つのテーマで川の魅力を再発見!親子で楽しめる出展ブースを紹介
会場には「川遊び」「水辺の生き物」「川の安全」という3つのテーマに沿って、川の魅力を伝えるさまざまなワークショップ、アクティビティを用意しました。ここからは、各ブースの内容をご紹介していきます。
《テーマ1:川遊び》
「川遊び」をテーマに企画してくださったのは、明治安田生命、株式会社Symphony Innovations、マルキユー株式会社、そして日本釣振興会の皆さん。

先端にマグネットが付いたお手製の釣り竿を使って、魚のおもちゃを釣りあげる「魚釣り体験」を実施。直感的に楽しめる遊びに、子どもたちはすぐに夢中に。中には4回も繰り返しチャレンジする子がいるほどの人気ブースとなっていました。
《テーマ2:水辺の生き物》
「水辺の生き物」をテーマにしたブースでは、川越女子高等学校 生物部の生徒さんが3つの企画を用意してくれました。

1つ目は、エビを題材にした生物多様性の研究発表。荒川水系で採取・観察をしてきた在来種(ヌカエビ)と外来種(カワリヌマエビ属)の違いやそれぞれの生育環境について、ポスターと標本サンプルを使って紹介していました。

2つ目は、特定外来生物「クビアカツヤカミキリ」に関する研究発表です。サクラやモモなどのバラ科の樹木を好んで食べるこの昆虫は、各地で桜の木を枯らす原因となっているそう。このままでは堤防沿いの桜並木が失われてしまう恐れもあるため、見つけた場合はその場で駆除するか、市役所に連絡するかしてほしいと呼びかけていました。

3つ目は、手づくりの「外来種希少種かるた」。子どもたちからは「おもしろかった!」という声が上がっていた一方で、大人からは「県の鳥のシラコバトが外来種だったなんて知らなかった」といった反応も。幅広い世代が楽しめるブースとなっていました。
こうしたイベントへの出展は、生徒さんにとっても学びがあったようです。
川越女子高等学校 生物部の生徒さん
「普段の発表は同じような研究に取り組む人が相手なので専門用語を使っても通じるのですが、今回は小さな子どもや一般の方に説明するため、自分の言葉でわかりやすく伝えることを意識しました。実際にやってみると、理解が曖昧な部分はうまく説明できないことにも気づけて……。伝える力や自分の知識を見直すいい機会になりました」
《テーマ3:川の安全》
「川の安全」のテーマでは、株式会社Symphony Innovationsさんが実践的なワークショップを企画。

はじめに紹介するのは、ライフジャケットの着用体験。「水辺では子どもから目を離さない」「水深が浅そうに見えても油断しない」など、川遊びの注意点を伝えながら親子に正しい付け方をレクチャーしていきました。備えの大切さを実感された方も多く「ライフジャケットを買っていきたい」と相談する保護者の方もいたそうです。
※ブース内で物販は行っていないため、イオンレイクタウン内の店舗をご案内しています。

さらに、越谷市消防局の協力のもと、119番通報の練習をするワークショップ「救急車呼べるかな?」を実施。電話する際の注意点や伝える情報を学んだ後、子どもたちは消防士との119のデモンストレーションに挑戦しました。
「こうした経験が親子で『もしものとき』を考えるきっかけになれば嬉しいです」と消防士さんも話してくれました。
《屋外編:水上アクティビティ in Sakura Lake》

16時からは、レイクアンドピース株式会社が運営している水上アクティビティの受付がスタート。Sakura Lake(大相模調節池)では、アメリカ発祥のウォータースポーツブランド「Hobie」の足漕ぎカヤックやSUPを体験できるんです。このアクティビティは通常、土曜・日曜・祝日に営業していますので、興味のある方はぜひ足を運んでみてくださいね。
わかりやすくて、おもしろい!五箇先生による「生物多様性」を学ぶトークショー

さらにスペシャルコンテンツとして、国立環境研究所の五箇公一先生をお招きしてのトークショーも開催しました。テーマは「これからの時代を生き抜くための生物多様性のお話」。水質汚染につながる廃プラ問題や生態系に深刻な影響を与える外来生物など、さまざまな切り口からお話しいただきました。進行アシスタントは、フリーアナウンサーの松田朋恵さん。五箇先生に質問を投げかけたり、話題をかみ砕いて補足したりと、聴講者の理解をサポートしてくださいました。
聴講していた川越女子高等学校の生徒さんからは「難しそうなテーマも身近な例やユーモアを交えて説明してくださったので、とても楽しく聞けました。また、聞く相手に合わせて伝え方を工夫することの大切さを学べました」という感想も寄せられました。
スタンプラリー参加者は236名!一人でも多くの川好きが生まれますように

各アクティビティの体験後は、スタンプの数に応じて景品をプレゼント。8個以上スタンプを集めた参加者には抽選にチャレンジしてもらいました。なお、スタンプラリーの参加者は236名!ショッピングに訪れていた多くの親子が立ち寄ってくださり、会場は終始にぎわっていました。
最後に、共催した3団体の代表者にうかがったイベントの感想をご紹介します。
明治安田生命保険相互会社 埼玉本部 田中さん
「まずはリバサポ5周年おめでとうございます。イオンモールでのイベント開催はやはり集客力が高く、人の流れが途切れずに終始にぎわっていたのが印象的でしたね。想定以上にたくさんの親子にご参加いただくことができ、「子どもたちに川の魅力を伝えていく」という私たちや県の思いを十分に発信できたと思います。」
株式会社Symphony Innovations 荻原さん
「川での安全対策は、『知ること』と『試すこと』の両方が大切だと考えています。今回の企画は、もしもの場面での対処を少しでもイメージできるようになってほしいという思いで考えてきました。実際に子どもたちが自分でライフジャケットを着たり、119番の練習に挑戦したりする姿を見て、私たちの狙いはしっかり届いたと感じています。また、商業施設での開催は、いろいろなお客様が足を運んでくださるからこそ、もともと川に関心がなかった層にもアプローチできるのが大きなメリット。今後も商業施設や県庁と連携しながら、川を安全に楽しむための知識を広く伝えていきたいです。」
リバサポ(埼玉県 環境部 水環境課)風間
「リバサポは『川好きを増やす』ことを起点に、川の環境をよりよくしていくことを目指すプロジェクトです。ただ『川を守ろう』と呼びかけるだけでは伝わりにくいからこそ、まずは川を知り、遊び、好きになってもらう……そんなきっかけづくりを大切にしています。今回のイベントでは、もともと川に関心のなかった方々にも来場いただけたことが大きな収穫でした。今日のイベントを通して、『川って楽しそう』と思ってくれる人がいたら何よりも嬉しいですね。」

これまで、たくさんの団体サポーター、企業サポーターや個人サポーターに支えられてきたリバサポ。5周年を迎えることができたのは、ひとえに皆さまのご協力のおかげです。心から感謝申し上げます。
今年度のリバサポは、世界的に関心が高まっている「ネイチャーポジティブ」の考え方を取り入れ、生態系を守るだけではなく、回復させていく視点を大切にしていきたいと考えています。そのため、今年度は特に生き物の保全に関わる取り組みに力を入れていく予定です。リバサポのこれからの活動にぜひご注目ください。