荒川の清らかさと、自然の豊かさを感じる渓谷。

妙法ヶ岳・白岩山・雲取山を総称した「三峰山」。その表参道入り口付近には、彩の国クールスポット100選に選出されている渓谷「三峰登竜渓(みつみねとうりゅうけい)」があります。秩父の甲武信ヶ岳に端を発した荒川の上流部のため、とても澄んだ水の流れを見ることが可能です。

またここには、真っ赤なアーチ型の「登竜橋」がかけられ、三峰山にある三峯神社参拝のための表参道として道をつないでいます。奥秩父の紅葉スポットとして親しまれ、シーズンになると毎年ライトアップが実施されているんですよ。

人と自然、その両方の歴史をたっぷり感じる洞窟。

提供:秩父市

登竜橋を渡り石畳の表参道を進んでいくと、「神庭・大輪遊歩道」に入る分岐点が現れます。この遊歩道の奥にあるのが、「神庭洞窟(かにわどうくつ)」という埼玉県指定史跡。なんと、約5万年前に荒川の流れで侵食されてできたとされている、石灰岩の岩壁にある洞窟なんです。

過去数回にわたる調査では、この洞窟から縄文土器や古墳時代の壺、奈良平安時代の須恵器などが出土。ほかにも多くの土器や動物の骨などが発掘されていることから、縄文時代から人々が移り住み、ときには住まい、ときには狩猟キャンプ地としてこの洞窟が使われてきたと考えられています。昔の人は、こうした自然の力でできた洞窟をうまく活用して生活していたんですね。

生きているかのような勢いある滝と、歴史ある禊の滝。

竜門の滝(引用:クールスポット100選

神庭洞窟を後にし三峰山表参道へ戻る途中、案内板に従って道を曲がってみると……「竜門の滝」が見えてきます。

比較的細い滝でありながら勢いが強いため、木々や岩の中から飛び出してくるような立体的な姿が見られます。その昔、ここから竜が出現して暴れたという伝説からこの名が付けられたといわれているんですよ。

近くに設置された観瀑台からは、滝上部の石畳のような岩やエメラルドグリーンの滝壺など、自然が生み出す絶景を楽しむことができます。

清浄の滝

三峰山表参道に戻り奥へ進むと、今度は「清浄の滝」が現れます。ここは、三峯神社の信者の修行場、禊の地として古くから知られる場所。かつては、ここで身を清めてから三峯神社に向かったそうです。

「清浄の滝」に癒されたら、その先に待ちかまえる「薬師堂跡」でぜひ休憩を。平坦な地のため、昔から休憩場所として使われてきたスポットなんですよ。

秩父を一望しながら初日の出が拝めるパワースポット。

三峰山表参道のゴールは、秩父三社のひとつ「三峯神社(みつみねじんじゃ)」。日本武尊(やまとたけるのみこと)が伊弉諾尊(いざなぎのみこと)と伊弉册尊(いざなみのみこと)をお祀りしたのが始まりと伝えられています。

関東屈指のパワースポットとして知られる境内には、非常に珍しい「三ツ鳥居」や、水をかけると龍神様の姿が浮き出てくる本殿の石畳などの見どころが盛りだくさん。

中でも注目したいのは、秩父市内が一望できるということ!標高1,100mに位置し、雲海や日の出が見られるスポットとしても有名なんです。歳旦祭と元旦祈願祭が執りおこなわれる1月1日に、ここから初日の出を拝むのもいいですね。

自然をたっぷり味わうことができるおでかけコース、いかがでしたか?

最初の三峰山表参道入り口から三峯神社までのハイキングは、だいたい2時間半〜3時間ほどかかります。山の中を歩くコースのため、時間に余裕を持ち、装備もしっかり整えて訪れてみてくださいね。

また、三峯神社には車で直接アクセスすることも可能です。行ってみたいスポットや天候などを考慮して、好みのルートをセレクトしてみてください(「裏参道」というのもありますよ)。

なお、毎年元日は初詣参拝者で賑わいます。感染症対策を徹底しつつ、素敵な新年をお迎えください!

◎スポット基本情報◎

―三峰山表参道入り口―
▼住所
埼玉県秩父市大滝

▼アクセス
秩父鉄道「三峰口駅」からバスで約15分 有料駐車場あり

―三峯神社―
▼住所
埼玉県秩父市三峰298-1

▼アクセス
西武鉄道「西武秩父駅」から西武観光バス三峯神社線で約75分 秩父市営の有料駐車場あり

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