時代を超えた名車が道満グリーンパークに大集合

自分の車に大切に乗り続けることは、「もったいない」の精神を実践するひとつのかたちだと言えるのではないでしょうか。今回は、広大な敷地内にドッグランやバーベキュー場なども備えた荒川沿いの人気スポット「彩湖・道満グリーンパーク」を舞台に開催された、参加型クラシックカー展示会「戸田クラシックカー同窓会」をご紹介したいと思います。

イベント概要

《戸田クラシックカー同窓会》
・日時:2022年11月23日(水・祝)
・参加台数:約70台
・主催:トダピース(平和建設株式会社)
・協力:ACJ(Automobile Club Japan)、SAITAMAリバーサポーターズ、公益財団法人 戸田市水と緑の公社、戸田市役所(みどり公園課)、上戸田地域交流センターあいパル、戸田市立図書館上戸田分館、ISUZU SPORTS、株式会社遠山製作所、川口自動車同好会、全日本てんとう虫の会、Aの会、XAVI、ときどき事務所、トダクリ(順不同)

首都圏の利水と治水の要!彩湖・道満グリーンパーク

最初に今回のイベント会場となった彩湖・道満グリーンパークについてご紹介しておきましょう。「彩湖」とは、首都圏に安定した水供給をする利水と、水害などを防ぐ治水、2つの機能を持った荒川第一調節池の一部。「水の安全」の要ともいえます。また、その周辺の広大な敷地が公園となっており、バーベキュー場やドッグラン、グラウンドや遊具エリアが点在。戸田市内外から多くの人が訪れ、レジャーやイベントの場として親しまれている人気の水辺スポットでもあるんです。

はじまりは一風変わったまちの不動産屋さんのアイデアから

平和建設株式会社の河邉社長が手がけるアトリエ付き木造賃貸「はねとくも」
https://hanetokumo.com/

「戸田クラシックカー同窓会」は、その名の通り古いクルマの「同窓会」をイメージして、1960〜1970年、1971〜1980年、1981〜1990年、1991〜2000年と年代別に駐車スペースを区切り、参加者が愛車を持ち寄って行う参加型の展示会です。

企画したのは、戸田市内で暮らす個性的な人たちをつなぐ取り組み「トダピース」や、アトリエ付き木造賃貸「はねとくも」などを手がけ、まちづくりのプレイヤーしても注目を集める不動産会社、平和建設株式会社の河邉政明社長。

もともと、古いクルマ、いわゆる「旧車」が好きで、自らもスバルに乗り続けてきた河邉さん。「旧車が縁でつながったコミュニティと、ライフワークとしての戸田のまちづくりをつなげる方法はないだろうか……」と模索していたところ、戸田市の取り組みである「公園リニューアル計画社会実験」の企画募集を知りイベントを計画。さらにリバサポやさまざまな企業・個人・団体とも連携しながら、開催に至ったのだとか。イベントではクルマのことだけでなく、戸田のまちの歴史に関する展示や公園の清掃活動など、さまざまなコンテンツを企画しました。

まちへの想い、好きなもの・ことへの想いを起点に、幅広いコラボレーションを実現するという取り組みは、リバサポが支援している「マッチング」の好例と言えるのではないでしょうか。

荒天にも関わらず70台を超える「走る伝説」が大集合!

イベント開催は2022年の11月23日、勤労感謝の日。実はこの日、関東地方の天気は大荒れ。激しい雨と厳しい寒さの中、「本当に集まるのだろうか?」という不安をよそに、会場には続々とクルマが集まってきます。当初の予定の100台には届かなかったものの、開会時刻の9時にはおよそ70台もの貴重なクルマたちが大集合。開会式には戸田市長も駆け付け、イベントは荒天に負けない盛り上がりを見せました。ここからは写真で当日の様子をお伝えしていきましょう。

次々と会場入りしてくる貴重な旧車とオーナーたち。

開会の挨拶をするACJ(Automobile Club Japan)代表。ACJは明治41年からの歴史を持つ自動車愛好者団体で、今回のイベントのバックアップを務めています。

主催者の河邉さん(左)とイベントに駆けつけた戸田市の菅原市長(右)。

現代のクルマにはない、ユニークな姿の旧車たちが世代別に並ぶ様子は、見ているだけでも飽きません。

彩湖・道満グリーンパークの広大な駐車スペースを埋め尽くす貴重なクラシックカー。この眺めはなかなか壮観でした。このイベントの面白さは、愛車との出会いや思い出を共有したり、トラブルや整備に関する情報を交換したり……クルマを起点にさまざまなコミュニケーションがつながっていくところ。ある参加者の方は、この日のために、何十年も倉庫に眠っていたクルマを手入れし直してやってきたことを楽しそうに話してくれました。

イベントを起点に旧車と地域、それぞれのコミュニティーに新しい出会いを創る

あいにくの荒天にもかかわらず盛況のウチに終了した「戸田クラシックカー同窓会」。最後に、イベントを企画した平和建設株式会社の河邉さんにお話をうかがいました。

「今回のイベントは、ACJをはじめ、車種別の愛好会や、地元の整備工場、自動車関係の団体・企業はもちろん、公益財団法人 戸田市水と緑の公社、戸田市役所、上戸田地域交流センターあいパル、戸田市立図書館上戸田分館といった、自治体関係各所、それに地域のクリエイターさんたちも興味を持ってくれて、力を貸してくれました。クラシックカーのイベントというと、クルマ好きだけのものになりがちですが、外からきた旧車ファンのみなさんには、道満グリーンパークまでの道のりを楽しんでもらうことで、埼玉の水辺の風景に触れる機会がつくれましたし、地域の仲間たちには古いクルマの魅力を感じてもらえたと思います。今後もこうしたイベントを続けられたらと思っています。次回は晴れるといいですね……!」

イベント後には参加者に配布したゴミ袋を使っての清掃活動「道満クリーンアップ!」も実施。また、戸田市や埼玉県の外からやってきてくれた方々に、地域の見所を知ってもらうおうと地元クリエイターユニット「トダクリ」が制作した「戸田ドライブマップ」を配るなど、さまざまな取り組みも行われていました。

水辺空間は広大なスペースがあり、自然があふれ、さまざまなイベントや活動の場所としても大きな可能性があります。もっと多くの方に「川との共生」を実感していただくためにも、今回のイベントのように、企業や団体が集まり協力しあう取組が広がっていくといいですね!

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